夏バテとは、高温多湿な日本の夏に身体がなんとか対応しようとしてしきれなかった結果、「だるくて疲れやすく、食欲がない」といった症状が起こる、いわば夏の身体の不調の総称です。夏バテの原因は、暑さからくる食欲の低下や食事の偏り、大量の発汗、不眠症といったものです。暑いからといって冷たいものをたくさん飲んでしまうと胃液が薄まり、消化機能が低下して食欲が落ちるといった悪循環も指摘されます。ところが最近の夏バテの原因に大きく関与していると考えられるのが「冷房」。つまり、冷房の効いた室内と熱い外との温度差に身体がうまく対処できず、カラダが混乱して自律神経失調状態になること。これが現在の夏バテ対策を一番難しくしていると考えられます。
ここからは夏バテ対策の10か条を紹介していきたいと思います。
1.冷房の温度をうまく調節する
冷たい室内と蒸し暑い外を往復すると身体はその温度変化についていけません。5度以上の温度差には身体の温度調節機関はうまく働かないと覚えておきましょう。
2.こまめに上着を脱ぎ着する
公共機関やオフィスの冷房はなかなか自分一人では変えられないというものは事実。はおりものを一枚持ってこまめに脱ぎ着しましょう。
3.冷房よりも除湿、扇風機をうまく使う
湿度が低いと涼しく感じるので「冷房より除湿」を心がけましょう。さらに風があると体表から熱が奪われて涼しくなるので扇風機を併用するのもオススメ。
4.寝るとき、冷房はタイマーで切れるようにしておく
寝ているときにずっと冷房がかかっていると身体に負担がかかります。タイマー設定にしましょう。
5.安眠のためには頭を冷やす
全身を冷やさなくても、頭が冷えるとそれだけで涼しく感じます。冷えるタイプの枕を使ったり、風邪用の頭を冷やすシートを使うとかなり涼しく感じます。
6.冷たいものがぶ飲みはNG
暑いと食欲が低下しがち。でも、冷たい飲み物を取りすぎると、胃液が薄まり消化機能の低下を招いてしまいます。
7.少量でも良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルを摂る
夏バテ予防に効果的な食事の摂りかたは、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとるようにすることです。たとえ少量でも質の良いものを食べる事が重要。ビタミンの中でも特に重要なのは糖質の代謝を助けるビタミンBなのでこれを積極的に取りましょう。豚肉や精製していない穀物、豆類などに多く含まれます。
8.刺激の強い食べ物を味方にする
胃腸を刺激すると食欲が増進します。胃液の分泌を促す食べ物には、辛いものや香辛料、香味野菜などがあります。辛いものは、発汗による夏ばて防止効果も期待できます。スパイスいっぱいのカレーは実は薬膳料理という話も。ただし食べすぎは胃腸を痛めるのでほどほどに。レモン・お酢などの酸味も食欲増進、疲労回復効果があります。
9.夏太りに注意する
最近は夏ヤセよりも夏太りする人が増えているとか。これは、今までの夏バテのイメージを引きずって、冷房の効いた部屋にいるのについつい食べてしまっていることが原因のよう。しかも夏の食事は冷えたものが多くなりますが、実は冷えたものは油分も甘味も感じにくいので注意が必要です。「暑いから身体が持たないし、いっぱい食べなきゃ」というのは過去の話かもしれません。「気をつけよう!夏やせよりも夏太り 夏太りにご用心」などもご参考に、バランスの良い食事をしましょう。
10.上手に汗をかく
汗をかくのはカラダの温度調節のためにもとても重要。しかも、血流も良くなる、老廃物も出てゆくという効果もあります。暑いからといって身体を動かさないとうまく汗をかくことができなくなります。涼しい夕方などにちょっと歩いてみるなど、適度な運動をしましょう。半身浴などでゆっくりぬるめのお風呂につかるのもよいでしょう。好みのアロマオイルをたらしたりすれば、リラックス効果も高まります。お風呂後のストレッチも血流促進効果と筋肉をほぐす効果があるのでオススメです。